チェーン交換のときや、走行中にチェーンが不意に切れたとき。
にチェーンカッターは使えるように練習できてますか?
チェーンカッターが使えると次のようなチェーン切れの応急処置ができるようになると前回記事で書きました。
»【急に切れる自転車チェーン】チェーンカッターによる応急処置で慌てず対処
- チェーンが切れた時のチェーンの再接続方法について
- リアディレイラーが壊れたときの、チェーンのシングル化について
今回は、チェーンカッターの具体的な使い方とその練習方法について解説します。
今日の記事を読むと、チェーンカッターを使い、チェーンを切ったり再びつなぐ手順と練習方法をマスターすることができます。そして、「チェーン交換」、「急にチエーンが切れた時の応急処置」、「リアディレイラー故障によるシングル化の対処」もできるようになります。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
\チェーンのカットと再びつなぐ手順をすぐ確認したい方はこちら
チェーンのピンを途中まで抜いて、再接続する練習方法チェーンを切ってつなげる2種類の方法の解説
チェーンを切って再度つなげる方法には、以下の2種類があります。
- コネクティングピンを使う方法
- コネクティングピンを使わない方法
両方を解説しますが、練習方法はコネクティングピンを使わない方法で解説します。理由は以下の為です。
- 応急処置の際、コネクティングピンが不要なので、チェーンカッターのみでできる
- コネクティングピンが不要な分、経済的
- コネクティングピンが不要の方法ができれば、コネクティングピンを使う方法も自然とできる
1.コネクティングピンを使ってチェーンを繋ぐ方法
1-1.チェーンカッターでピンを抜き切る
以下のように、チェーンカッターで今入っているピンを抜きとります。
1-2.新しいコネクティングピンを指してチェーンをつなげる
一度抜いてしまったチェーンのピンは2度の指し直すことは困難です。仮に指し直せても、チェーンのリンク穴が広がってしまうので以前のような固定力はありません。
よってチェーンを繋ぐためのコネクティングピンを準備する必要があります。コネクティングピンは変速数によって種類が異なります。なぜなら、変速数によってチェーンの幅が異なるので、コネクティングピンの幅も変わってくるためです。
では、変速数に応じたコネクティングピンを見てみましょう。
<11速用コネクティングピン>
<10速用コネクティングピン>
<9速用コネクティングピン>
<6,7,8速用コネクティングピン>
つなぐチェーンに合ったコネクティングピンが用意できたらチェーンとチェーンを繋ぎあわせます。先の尖っている方をチェーンに挿入し、チェーンカッターでピンのお尻側から押し込みます。
お尻部分が、すべてチェーン部に入ったら先端部分を折って完了です。
なんか、弾丸みたいな形だね。みんな同じにみえちゃうよ。
並べるとちがいがわかるよ。
ほんとだ。
中心のピンの長さが違うんだね!
11速、12速にはコネクティングピンではなくクイックリンク(ミッシングリンク)という方法もあります。
コネクティングピンは再利用できませんが、クイックリンクは再利用可能なのが特徴です。
<11速用クイックリンク>
<12速用クイックリンク>
そして、コネクティングリンクの脱着には、以下のクイックリンク工具が必要です。
再利用できる分、コネクティングピンより高価です。
1-3.コネクティングピンでつなぐメリット・デメリット
メリットとしては、新しいピンで接続するので作業が単純になる点です。
デメリットとしては、以下の通りです。
- 新しいコネクティングピンが無いと作業ができない
- コネクティングピンは約200円/1本と高価である
- 持ち歩けるコネクティングピンに限りがある
2. コネクティングピンを使わず、チェーンをつなぐ方法
2-1.チェーンカッターでピンをプレート1枚のところで残す
2-2.プレートに残っているピンでチェーンを再び接続する
チェーンを再接続して、残したピンを再度押し込み接続する。
2-3.コネクティングピンを使わないメリット・デメリット
コネクティングピンを使わず、チェーンをつなぐメリットは、チェーンカッターだけで作業ができ、コネクティングピンの費用がかからない点です。
一方で、デメリットは、ピンをプレート1枚に残すにはそれなりの練習が必要な点です。
以上のことから、安価でマスターしといて損はないプレート1枚にピンを残す方法の練習手順を解説します。
チェーンのピンを途中まで抜いて、再接続する練習方法
チェーンを実際に抜く前に、チェーンとピンの内部構造を理解しておいた方が練習の理解が深まると思うので解説します。
1.チェーンとチェーンピンの構造を理解
チェーンピンは、最初抜くときと、最後抜き切る時が一番固くなっています。
最後の固いところを通りこさずにすることでプレート1枚を残してピンを残すことができます。
1-1.入り口は狭くなっているので、最初の押し込みは硬い
チェーンカッターを用いてピンを押し出していきます。
最初に押し出すところが一番固い部分になります。
1-2.「カチン」の音とともに、スルスルと回せる
「カチン」という音と共に、チェーンカッターにかかる力は弱くなります。
プレートよりチェーン内部の空洞の方が大きくなっている為です。
そのままチェーンカッターを回していきます。
1-3.【重要】出口に近づくと固くなるのでココで止める!
出口に近づくと再び固くなります。
ここでストップです!
1-4.【NG】更に回すとまた軽くなりピンが完全に抜けてしまう
2回目に固くなった状態で、さらにチェーンカッターを回し続けるとピンが最後まで抜けてしまいます。
1度抜けてしまったピンは2度と入らないので注意しましょう。
原理が分かっていても、力の加減は練習してみないとわかりません。
繰り返しの練習が必要になります。
でも、2,3回もやればなんとなくが感が掴めてくるでしょう。
2.チェーンを使った実際の練習
まずは、チェーンカッターを準備しましょう。
こちらの記事でオススメのチェーンカッターをご紹介しています。
»【急に切れる自転車チェーン】チェーンカッターによる応急処置で慌てず対処
2-1.チェーンとチェーンカッターを準備する
一番良いのは、チェーン交換をした後、変え終わった元のチェーンを使う方が一番経済的であろ効率的です。
もし、無いのであれば、馴染みに自転車店等にいけば、いらなくなったチェーン等を無料ないしは安価で譲ってくれたりします。
それでも無い場合は、チェーンを購入するしかないです。
しかし、新しいチェーンで練習するのも勿体ないので、自転車店に相談して今あるチェーンを新しいものに交換して、使い終わったチェーンでチャレンジする方が良いです。
チェーンにも種類が様々あります。
<12速用チェーン> ※細かいグレード有り
<11速用チェーン> 細かいグレード有り
<10速用チェーン>
<9速用チェーン>
<6,7,8速用チェーン>
チェーンも変速の数によって違うんだね!
そうなんだ。
変速数が多いほどチェーンの厚みが薄くなるよ。
薄くなるほど価格が高くなるよ。
11速のコンポーネントはデュラエース、アルテグラ、105の3グレードがありますが、チェーンにも3段階のグレードあるようです。
主な違いは、防錆加工・SIL-TEC加工の有無と中空品です。
グレードの高いチェーンほど錆びにくく、変速しやすく、軽くできています。
グレード\変速数 | 11速 | 12速 |
デュラエース | CN-HG901 | CN-M9100(XRT) |
アルテグラ | CN-HG701 | CN-M8100(DEORE XT) |
105 | CN-HG601 | CN-M7100(SLX) |
注意:12速のチェーンはマウンテンバイク用の12速が使われています。
細かい違いがあるんだね!
2-2.チェーンをチェーンカッターで切る
さて、練習用のチェーンも準備できたのでチェーンを切ってみましょう。
今回は、チェーンの以下2つの部分をプレートにピンを残した状態でカットして左右逆転してつなげ直すことをやってみたいと思います。
2-3.チェーンカッターを押し当ててピンを押し込む
チェーンをチェーンカッターのガイドに乗せてピンを押し抜いていきます。
カチンと音が鳴ったらチェーンカッターは軽くなるので、そのまま回していき少し硬くなったところで止めます。
2-4.ピンがプレート1枚に残った状態で止める。(寸止め)
これぐらいかな。いきなり押し出すのではなく、徐々に押し出す感じですすめます。
2-5.チェーンを切り離す
チェーンを切るにもコツがあります。
- 切る両端を両手で持つ。
- 両親指で押す。
このような手順を踏むと、チェーンが切り離されます。
もし、切れない場合は、ピンの押し出しが足りてない可能性があります。
2-4に戻って、もう少しピンを押し込もう。
2-6.チェーンが切り離れた状態
無事チェーンが切れると以下の写真のように、プレートにピンが残った状態でチェーンが切れます。
2-7.片側のチェーンも同様に切る
両方チェーンが切れると、以下の図のようになります。
これからつなぎ直します。今回は練習なので左右逆転してつなぎ直してみましょう。
2-8.切れたチェーンを少し力を入れて押し込む
少し力を入れて、チェーンを押し込みます。
上手くいくと以下の図のように入ります。
入らない場合は、プレートに残っているピンが出っ張りすぎているからチェーンカッターで少し押し出してあげましょう。(2-9参照)
2-9.チェーンがつながらない場合は、少しピンを押し出す
上手くチェーンがつながらなかった場合は、チェーンカッターで少しだけピンを押し出してあげましょう。
そうすると、簡単にはまるようになります。(くれぐれも押し出しすぎないように)
2-10.両方の出っ張ったピンをチェーンカッターで押し戻す。
両方の出っ張ったピンをチェーンカッターで押し戻します。
反対側のピンの先が、他のピンと同じように出るまで押し込みます。
2-11.ピンが押し込み終わるとチェーンがつながります。(ココで終わってはいけない)
無事チェーンがつながったことを確認したら、つなぎ直した部分を動かしてみます。
ほとんどの場合、固くなって動きづらい状態になっています。
ほぐしてあげる必要があります。
2-12.【重要】接続部分を十分ほぐす
ここにもコツがあって、可動方向にほぐしても、なかなかほぐれません。
- 動きの悪い部分を折り曲げる
- チェーンの両方を両手で持つ
- 両親指でプレート方向(本来曲がらない方向)に押したり引いたりする
チェーンが変形してしまうのではないかという心配がありましたが、やってみたところそんなことはありませんでした。
考えてみれば、脚からの動力を何万回転も伝えるのがチェーンです。
そんなやわではないですね。
まとめ:チェーンカッターを使い、チェーンを繋ぐ練習をしよう
今日の記事内容をまとめると次の通りです。
- 2種類のチェーンをカットして繋げる方法
- 完全にカットして、コネクティングピンで繋げる方法
- プレートにピンを残して繋げる方法
- プレートにピンを残して繋げる方法をマスターしよう
- コツさえ掴めば、誰でもピンを残してチェーンカットできる
- 安心してロードバイクを楽しむことができるようになる
そうは言っても、はじめから上手くはいかないのです。
はじめてのチェーン交換のドタバタ劇場。もしお時間があれば読んでいただけると嬉しいです。
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先日、チェーンカッターを使って初めてチェーン交換をしましたが、接続部が固くなって困っておりました。メダルを漕いでいると一定のリズムでカチャンカチャンと音がしていました。
解決方法を色々なサイトで調べ、ぼぐす必要があることを知りましたが、中でもこちらの“ほぐし方”が一番参考になりました\(^-^)/
チェーン交換の方法も詳しく書かれているので、もっと早くこのページと出会いたかったです。Google検索した時に一番上に来てほしいブログだと感じました。
ありがとうございます。