2022年4月28日。富士ヒルクライムの試走に行ってきました。
6月12日の本番が近づいていました。
一度も走ったことがない中でぶっ続け本番で富士山は怖い!ということで行ってきました。
ところが、結果は3分の1登ったところで強烈に足がつりました。それ以上続けても登れる気がしなかったのでそのまま引き返しました。
この記事では当日なぜ途中で引き返すことになったのか。どうすれば最後まで登れたのかを解説します。
後日、原因を考えて行動した結果5合目までたどり着くことができました。
なので、本記事は次のような方に参考になると思います。
- はじめて富士ヒルクライムをするんだけど登れるか不安
- どうやったら富士ヒルを登りきれるのか知りたい
- 体力に自信はあまりないけど、富士ヒルクライム完走できるのか
登るときのポイントをしっかりおさえれば、時間はかかりますが誰でも5合目まで登り切ることができます。さぁ、ぼくの失敗を反面教師にして富士山5合目に登り素晴らしい達成感ととおもに絶景を楽しみましょう。
なぜ登れなかったの??
なぜ富士ヒルクライムの試走が必要なのか
富士ヒルクライムについて試走が必要と思った経緯は書きたいと思います。
話をスタートする前に富士ヒルクライムの定義をしっかりしておきましょう。
ここでは富士吉田の富士ヒルクライムです。
富士ヒルクライムは富士山5合目まで登るものです。実は富士山5号目は4ヶ所あります。
次の4ヶ所です。
- 富士吉田5合目
- 須走5合目
- 富士宮5合目
- 新五合目
≫4つある富士山5合目は別の記事でまとめてるのでこちらへどうぞ
25キロ続く平均斜度5%の緩やかな上り坂
富士吉田5合目は、平均斜度5%の緩やかな上り坂です。それが25キロ続きます。スタート地点から1300メートル上昇することになります。
斜度5%ってどれくらいでしょう?斜度とは100m進んで何m上昇するかという単位です。斜度5%なら100m進むと5m上昇します。
では斜度が上がるとどれくらいきついのでしょうか。
趣味でロードバイクに乘っている方なら次のような感覚が近いのではないでしょうか。
- 斜度0~4% ・・・ 坂を意識せずスイスイ登れる
- 斜度5~7% ・・・ 坂を登ってる感覚。サドルに腰掛けたままで登れる
- 斜度8%以上 ・・・ 立ちこぎしないとキツイ
富士吉田5合目まで登るヒルクライムは、平均斜度5%。最大斜度7%です。
お尻をつけたまま登れそうですね。ただ25キロもあるので疲れます。
疲れてくると腰掛けたままではキツくなるのでどうしても立ちこぎになります。
参加者約9割の人が完走する富士ヒルクライム
富士山5合目までの道のりはゆるやかな登りなので、ヒルクライムレースでも初心者向けと言われています。その証拠に参加者の約9割の人が完走します。完走率が高いレースなのですね。
初心者向けのレースなら試走は不要ではないのか
初心者向けとは言え、富士ヒルクライムのなかでは日本最大のイベントです。しかも25キロも坂が続く場所なんて日本を探してもそうそうありません。つまり富士ヒルクライムをはじめて走る人ははじめてのロングライドなヒルクライムに挑戦することになるのです。
なので、一度試しに走ってみることは価値があることだと考えてます。
試走をしたときの重量級な装備
試走の日は気温18度の過ごしやすい日でした。
しかしスタート地点は標高1000メートルの地点。気温は12度でした。
※標高が100メートル上がると0.6度下がるといえます。
下界より6度も低く12度だったんですね。
そこで、わたしはロングパンツ、ショートスリーブ+アームカバーで全身を覆いました。でも気温は12度です。寒さで震えました。
流石に寒かったのでインナーを1枚余分に着込みんでなんとか震えをおさえました。
初夏の山をなめてはいけない。
それだけは知っていたので、リュックには次のものを入れました。
- 冬用のサイクルジャージ上下
- 冬用インナー
- 秋用のサイクルジャージ
- 冬用手袋
- 予備の補給食
- 予備の水
30リットルのリュックはパンパンになり、たぶん2キロ以上になっていたと思います。背負うとめちゃくちゃ重かったです。
【実際に使っているバック】
ですが、5合目はここより1300mさらに上。7度くらい低いので気温5度。
真冬なみなことをわかっていたのでがんばって持っていきました。
登りはじめたものの途中リタイア
この試走の日は、てっぺんまで登るぞと思ってはりきってました。しかしながら2合目までも行けずに途中で自転車を降りて引き返しました。上記はその時の動画です。
富士山を途中まで登り、逃げるように降りているのが分かると思います。
以下詳しくみていきましょう。
富士ヒルクライム大会本番での途中下山は絶対NG
今回は練習において、途中下山することになりました。富士ヒルクライムの大会本番では絶対やってはいけません。主催者に確認しましょう。
勝手な下山は危険行為となります。生涯2度と富士ヒルクライムに出場できなくなります。
ブロンズを取る勢いで登りだしたものの・・・
- 足はつかずにがんばって登ろう
- がんばって登ればブロンズとれるぞ!
ブロンズと言うのは、富士ヒルクライムのルートを90分以内に登った人がもらえる手のひらサイズのフィニッシャーリングです。
ちなみに次のようにタイムによってもらえるリングがことなります。
- プラチナ:60分以内に完走
- ゴールド:65分以内に完走
- ブロンズ:90分以内に完走
- ブルー:完走を果たした全員
参加者の平均タイムは約1時間49分(=109分)。ブロンズに手が届きそうではありませんか?
最初は意気揚々と登りはじめました。しかし、その気持はすぐに脆く崩れ去ることになるのでした。
だいたい3キロくらい登ったところで「長いな・・・」と思うようになりました。
体の調子が悪くはなかったですが、良くもなかったです。
気分がのらず、とにかく長いな・・・という思いでいっぱいでした。
小さな子どもが登っているのもプレッシャー
富士山は意外といろいろな人がのぼっています。小さな子どもたちも親御さんたちにつれられて登ってます。
微笑ましい光景なのですが、おじさんなぼくには少々プレッシャーです。
こんな小さな子が登ってるのだから、ぼくは負けるわけにはいかない。
そんなプレッシャーも勝手に感じてました。
不安に駆られて自転車から降りる
1合目まではなんとか登り、2合目に向かっている途中、何か急に不安を覚えました。
帰りは真っ暗になるな・・・。そんなことを思ったのです。
登り始めたのは確か昼の2時過ぎだった気がします。
ぼくの実力なんて時速1桁台の登り速度です。たぶん、頂上につくには3時間くらいかかる。
そして、今の時刻は3時ちかく。降りると夜の6時?・・・・7時かな。と
そう思ったら不安になりました。
足がピキピキと攣りだす(つりだす)
自転車を降りると体は疲れていました。どうしたことでしょう立ちながら足がピキッと硬直しました。
その後、みるみる攣りだしました。「痛い・・・」
立ちすくむとは、このことです。とにかく足が痛かったです。
しばらくすると痛みは収まりました。
しかし、とてもこれ以上登る気になれませんでした。
私は下山を決意しました。
悲しい下山
途中で降りるのはなんて悲しいのだろうか。下りですれ違った方々からは頂上から降りてきたんだろうな・・・
と思われていたかもしれない。
でも、ちがうんだよ。途中からなんだよ!
少しの恥ずかしさを覚えて下りました。
なんとも悲しかったですが、無事に下ることができほっとしました。
最後まで登れなかった6つの原因と対策
ここでは、なぜ最後まで登れなかったか原因と次からの対策を書いていこうと思います。
お陰様で、この記事を書いている頃はリベンジに成功しました。なので効果ある対策だったと思います。
結論の原因と対策は次の通りです。
こうすれば、体力のない人でも登れる富士ヒルクライム
- 出走前とライド中の十分な水分補給
- こまめな食事と塩分補給
- 疲れたら休む
- 1300mを登る練習を週一回する
- 登れなくても気にしないと思う
- 午前中に出発しよう
水分補給が足りなかった
まず、水分補給が足りてなかったです。実は午前中は別の場所をサイクリングしてました。春なので水分補給は少なめで平坦を60キロほど走っていたのです。
疲れを感じていなかったのでしょうが、おそらくほんの軽い脱水症状のはじまりだったのかもしれません。
よって、次のことが必要でした
- 出走前にしっかり水分補給をしよう
- 走っている最中もこまめな水分補給
- ボトルは2本もっていこう
水分補給が全然足りてなかったと反省しています。それで足が必要以上に攣ってしまったのかと思います。
大きなボトルやボトル2本で、水はいっぱい持っていこう
ベストセラーが一番安定的 + 自転車取付にはボトルゲージもお忘れなく
もっと、おしゃれなボトルもあります(めっちゃ高いけど)
こまめに適切な補給をしなかった
補給と言ってもピンと来ないかもしれません。要はは食べることです。
お腹が空いて無くても、登りながら食べていくことが大切です。今回は食べてはいたけど、プロティン(タンパク質)を多くとってました。
カロリー補給重視であれば、糖質系の方が良かったのかもしれません。よって次の点が不足してました。
- 糖質系の補給食を5キロに1回はとる
1本あたり100円以下でさっと栄養補給ができて重宝するスポーツようかん
ライド途中の補給食はプロティンよりも、炭水化物のほうが栄養補給に有利
疲れたら無理せず休憩する
足をつかずにのぼりきるぞ!と気合を入れまくってました。これが一番いけなかったのかもしれません。
考えてみれば、ヒルクライムは何度かやったものの連続で登って400メートルくらいです。
普通の山は、そこまで登ると下りがはじまったり、休憩ポイントで休んだりできました。これが、良い足休めになっていたのかもしれません。
ところが富士山は25キロずっとのぼりです。足を休めるところがありません。休むところがなければ足はずっと酷使しっぱなしです。
鍛えてあればよいですが、そうではないと足はかならず悲鳴をあげるでしょう。
よって、次をすれば良いと思いました。
- こまめに休みながら登る(例:2キロ登ったら5分休憩する)
足をついちゃいけない。なんていうルールなんてないよ。
無理しないのがイチバン!
富士山を登る前提の練習不足
25キロの長い坂を登りきる練習が不足していた気がしてます。とはいえそんな長い坂など日本を探しても富士山くらい・・・。
ではどうするかというと、合計距離が富士山くらいになるまで登る練習が不足してました。
富士山の場合、スタート地点からゴールまで約標高差が1300mあります。
私の身近には高さが200mちょっとの山があります。これを6回繰り返すと1300mになることがわかりました。
6回登り下りを繰り返せば、富士山を登って降りるのと同じになります。途中の下りで足休めができちゃいますが、休みながら登る前提なのでOKとします。
よって次が足りてないといえます。
- 富士山を登る練習不足。近所の山を富士山を登る高さ分登ろう
富士ヒル完走率90%以上に気負いすぎた
富士ヒルクライムの完走率は9割以上と言われています。これは初心者参加書のハードルを下げてくれます。9割なんだ。自分も完走できそう。
一方でプレッシャーにもなります。9割だから走りきれないと恥ずかしい・・・・
私は後者の理由で登れなかった気がします。
ロードバイク歴は3年(よく続いたね。自分エライ!)
流石に初心者じゃないから登れて当たり前だよね。という気負いがでました。
この気負いが、足をつかずに登ってやる、ブロンズぼくもいけるかもというさらなる気負いや必要以上の自分への鼓舞があったと思います。
これは想像ですが、完走率9割はどんな人たちが参加しているかを考えて置く必要があります。
あなたの周りに富士ヒルに参加されている方は何人いるでしょうか?
たぶん、ほとんど居ないと思います。いても数名程度。
つまり、富士山を自転車で登ろうとする人は、それが好きな方が集まって9割の数字をつくってるのです。なので、そこで気負わなくても大丈夫です。
よって、次のことがいえます。
- 9割の人が富士ヒル完走できるのは、そんな方々の集まりだから
山を登るのが好きな人が集まってるんだから、完走率は高くなるよね
出発時間が遅すぎた
出発した時間が、午後2時半でした。この時間ならなんとか暗くなる前に行って帰ってこれるかと思いました。しかしそれは甘かったです。
後で知りましたが、5月までは5合目にいられるのは午後6時まで。下山は午後7時までに完了する必要があります。
富士ヒルのルートである富士スバルラインの中には営業時間外には車も人もいることは許されません。
なので、午後出発は時間が余裕がなくなります。わたしも4時近くになってきたらちょっと日が落ちてきて不安になってきました。
よって、次のことがいえます
- 富士山に登るのは午前中からがベスト
足をつきながら、マイペースでゆっくりと登ろう
この記事では、富士ヒルクライムを途中であきらめてしまった自分を解説しました。体力に自信のない方でも富士山はのぼれます。しかし、次の点に注意しましょう。
富士ヒルクライム1300mの高さをコツ
- 出走前にしっかり水分をとり、ライド中もこまめに水分補給をしよう
- こまめな食事と塩分補給をする
- 無理をせず、疲れたら休む【これ大事!】
- 1300mを登る練習を週一回する
- 登れなくても気にしないと思う
- 午前中に登り始めよう
決して速く登る方法ではない、体力がなくても登れる方法です。
少しでもお役にたてれば幸いです。