ロードバイクの知識

【SISを詳しく解説】シマノインデックスシステムは子供自転車から逆採用|当たり前を疑うことから生まれた

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  • STIレバーは聞くけど、SISは何だろう
  • 昔はどうやってシフトチェンジしたのかな

自転車のシフトチェンジの仕方を聞くと、手元のシフトレバーを押して変速すること答える方がほとんどだと思います。

しかし、40年前では違いました。

この記事では、自転車でよく行う変速について昔と今を書きます。

この記事を読むことで、手元でシフトをカチカチ変速する方法が生み出されるまでを知ることができます。カチカチすることは当時大きな発想の転換であったことが分かると思います。

いしやん
いしやん

手元でシフトレバーをカチカチして変速
この当たり前は、40年以上前は当たり前ではありません

こんにちのシフトチェンジ技術は当時、子供用のスーパーカー自転車から逆転用されてきました。この経緯を詳しく見ていきます。

この記事の要約
  • 子ども自転車のおもちゃの機構がプロのロードバイクに採用された
  • SIS(シマノインデックスシステム)は、プロのシフトチェンジを一変させて自転車をさらに速いものにした

40年前のロードバイクのシフトレバーは手元になかった

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上の写真はおなじみのSTIレバーです。
STIとはシマノトータルインテグレーションの略記です。

STIは今でも使われているので、ご存知の方は多いのではないでしょうか。
STIはのおかげで手元でブレーキとシフトチェンジが両方操作できます。

ところが、40年以上前は異なりました。手元ではなく足元に変速レバーが形を変えてあります。このことについては、次の章でご説明します。

もう一つSTIと似た言葉でSIS(シマノインデックスシステム)があります。

言葉は聞くものの、SISをネットで調べてもイマイチピンと来ないと思うことはないでしょうか。

SISを理解するには、昔の時代背景を知った上で説明をしていった方が効率が良いと思います。

それほどSISは昔のロードバイクの事情を知っておかないと、理解がむずかしい言葉となります。

昔のロードバイクのシフターはダブルレバーである

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今から30年くらい前のロードバイクのシフトレバーは現在のように手元についていませんでした。

上の写真のようにダブルレバーと言われ、ダウンチューブについていました

横から見ると次の位置です。手を下に伸ばすと届く位置にあります。今とは全く異なる位置に変速レバーは付いていたのです。

左がフロント用、右がリア用のシフトチェンジに使われます。

いしやん
いしやん

このダブルレバーどのように動かすか想像つくかな?

よみ
よみ

簡単よ。カチカチと上げ下げするのよね!

いしやん
いしやん

残念でした~

カチカチとはならず、好きなだけ動かせるんだよ。

レバーをみるとSTIレバーと同じように、カチカチと動くと思いますよね。

当時のダブルレーバーは、実はカチカチとは動かないのです。
ダブルレバーは動かした分だけ動きます。

その為、中途半端に動かすと上手く変速できません。

自転車乗りは「これぐらい動かせば1速かな、2速かな?」

感覚でレバーを動かしていました。

今では信じられませんが、ここがプロレーサーの腕の見せどころとなります。

 例えて言うなら、

  • カメラのピントをオートフォーカスではなくマニュアルで合わせる。
  • 砂糖や醤油をグラムを計ってではなく、目分量で入れる。
  • 電話交換手の作業を競う(とっくの昔に機械化されている業務ですが・・・)

プロが乗るロードバイクの変速はこんな状況であったことを、まずご理解下さい。

プロレーサーは登りのダブルレバー制御もテクニックのひとつ

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ダブルレバーを動かすには、変速の時にハンドルから手を放さなければなりません

特に重要な局面は登り坂です。
登り坂を駆け上がる時には、ダンシング(立ちこぎ)でグォーと駆け上がることも必要になります。

同時に、状況に応じて適切なギアチェンジをする必要があります。

登り坂の変速の時は、

  1. 一旦お尻をサドルに降ろす。
  2. 片手でダブルレバーをいい感じに調整する。

という2つの作業をしなければなりません。

このシフトチェンジをする瞬間、ライバルにスパートをかけられたら終わりです。

とはいえ、変速しないと坂道をスピードを保って登り続けることは不可能です。

疲れてくると、プロといえど上手く変速できなくなってました

今では信じられないかもしれませんが、ダブルレバーの変速をいかに上手く行うかもプロの腕の見せ所で、勝敗に大きく関わってきてたのでした。

子ども用自転車のインデックスシステムがヒントに

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そこで、シマノの方々は考えたのです。

これあかんやろ。絶対うまくいってないやろ
と、坂を登りながらのシフトチェンジに苦労している選手を見て思ったようです。

そして、「うちの子ども用自転車のインデックスシステムを採用したらどないやろか?」という流れで採用の検討になりました。

シマノはいろいろな自転車のコンポーネントを作っていました。

当時流行の、スーパーカー自転車の変速機も作っていました。

簡単に変速できるように、レバーがカチカチと切り替えれるようになってました。

当時、スーパーカーが流行しており、自転車の変速レバーを車のシフトレバーに見立てて箱で覆ったのです。

このような変速装置です。

これが、シマノインデックスシステムの原型なのです。

https://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1803/27/l_si_supercar_bicycle-04.jpg

引用:

https://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1803/27/l_si_supercar_bicycle-04.jpg

昭和世代の方々は、「懐かしい~」なんて思いませんか?

てっきり、ロードバイクの技術が市販車に降りて来たものと思ってたのですが、事実は逆でした。子ども用自転車に開発したものだったんですね。

SIS(シマノインデックスシステム)の課題

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プロ用ロードバイクにも、もっと、早くインデックスシステムを採用すればよかったのではないか?

という意見もあろうかと思います。しかし、プロの世界はそんなに甘くはないのです。

インデックスシステムは弱点があります。

ワイヤー調整がシビアなので少しでも緩むと変速できなくなってしまうのです。

プロは、下り坂は時速100キロで急ブレーキをかけたり、加速をする時は自転車が壊れる程の激しいギアチェンジを行います。

故にワイヤーの伸びやギアの摩耗も半端ないです。

微妙なさじ加減で変速できるダブルレバーは必須だったのです。

ダブルレバ-至上の時代にSISが子供用自転車に採用されてきました。
その為、採用当初は「子どものおもちゃ」と相手にもされていませんでした。

ワイヤーやギアが多少ずれても変速できるインデックスシステムを開発し大好評

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シマノはワイヤーの伸びやギアの摩耗も誤差に入れ、多少の誤差でも正確に変速できるSIS(シマノインデックスシステム)を開発しました。

さらに受け入れやすくするために、インデックスモードと従来のマニュアル調整できるフリクションモードの2つを切り替えできるダブルレバーを供給したのです。

実際にプロレースで使ったところ、カチカチと変速できるインデックスモードが便利なこと便利なこと

フリクションモードを使う選手はすぐにいなくなりました。

選手は、インデックスシステムの方が走りに集中できるということになり、ライバルメーカーもSIS採用に大きく舵を切ったのです。

経緯をもう少しだけ詳細に書きます。

SISを新規開発したものの、流石に子ども用自転車の技術を、プロレース用のコンポ(デュラエース)に使うというのは乗る側も不安がありました。

最初は、市販車用トップグレードであるアルテグラ(当時EX600)に導入しました。

そこで、

「うん、いいねぇ~」

と評価を積み上げてプロレース用に導入したのでした。

合わせてどうぞ!

ロードバイクのコンポのグレードはこの記事で説明してます。 

今日のシマノのSISを開発する物語はこちらの「シマノ 世界を制した自転車パーツ」に詳しく書かれています。SIS意外にも、デュラエースやアルテグラなどのコンポが世界の標準になるまでの軌跡など詳しく書かれています。

なかなかググっても出てこないシマノの情報満載ですので、ご興味がありましたらぜひともごらんください。

Wレバー(フリクション・インデックス)とSTI(ワイヤー式・電動式)の4つを比較します

せっかくなので、次の3つを比較してみたいと思います。順番は次の通り

  • Wレバー:フリクションモード
  • Wレバー:インデックスモード ← Shmano SIS
  • STI:ワイヤー式
  • STI:Di2 電動式

時代とともに進化して、手元で変速ができるようになりますが、スムーズに変速できるのは実はWレバーのフリクションモードであることがわかると思います。

フリクションのスムーズさからすると、当時SISのインデックスモードが受け入れられなかった気持ちが少しは分かるかもしれません。

Wレバーのフリクションモード

最初はWレバーのフリクションモードです。レバーを動かしただけ変速できるので、トップからロー、その逆など一瞬で可能です。

https://twitter.com/polo3r/status/1284091472183095296

Wレバーのインデックスモード

次にWレバーのインデックスモードです。レバーに多少の引っ掛かりがあることがわかると思います。先程のフリクションのように一気に上げ下げも可能です。

このカチっと止まるポイントでギアが入るので選手の考えることが一つ減った瞬間であります。

STIレバーによる変速(ワイヤー式機械式)

こちらは今の主流であるSTIレバーです。手元でブレーキと一体となったレバーで変速ができるのが大きな強みです。ある程度、素早くローからトップギアシフトも可能ですが、毎回レバーを押さないいけないので、変速スピードはWレバーに劣ります。

STIレバーによる変速(Di2による電動式)

今の最先端の変速装置です。Di2といって電動で変速します。見た目はワイヤー式と変わりませんが、変速のたびにキュイーと音が鳴っていると思います。これが変速音です。乗っている人は軽いレバー操作で変速できるので、レバー操作がらくになります。

このように、変速装置はWレバーからSTIレバーに変化していきました。しかし、メリットもあればデメリットもあることをご理解いただけたと思います。

SISは子供用自転車から逆転用し世界標準になった

この記事のまとめは以下のとおりです。

記事のまとめ
  • 子ども自転車のおもちゃ機構を元にしたSIS(シマノインデックスシステム)がプロ用ロードバイクに採用された。
  • SISは、プロのシフトチェンジを一変させて自転車をさらに速いものにした。

通常はプロレースで培った技術が、市販グレードに広がっていきます。この流れは現代でも変わりません。

しかし、稀に逆の流れが起きます。まさか子ども用自転車の技術が採用されたのは驚きですね。

また、カチカチとシフトチェンジする現在では当たり前なことも、コロンブスの卵のように今までの常識を打ち破って開発されたのも驚きですね。

シフトチェンジって突き詰めると面白いです。 

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